2004/07/22 10:01 K to Y
Yさん

こんにちは

今日も例によってプールに行ってきたんですが、
雷注意報発令とかで、しっぽ巻いて帰ってきました。
ひと雨来そうです。

>壁、建具、ガラス、開口部、ムーブメント、メカ・・・。
>このあたり妄想をさらに深めていきたいですね。

素材はもちろんでしょうが、この辺のファクターは、おそらくコンセプトをかたちにするときのキモになるところなんでしょうね。
いよいよ総論から各論に入ってきた気配を感じます。

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「イナタイ」のこと。

「イナタイ」という言葉ご存知でしょうか?

ひょっとしたら世代的ローカル言語なのかなあと思ったりもするのですが、70年代中ごろの京都のブルースシーンでよく(?)使われていた言葉で、たとえば、「Hi」とか「stax」といったサザンソウル系の黒人ミュージシャンの出す音を、「イナタイ音やなあ?」などと、つかいます。

一説には「田舎臭くて野暮ったい」の略ともいわれていますが、「シブイ」という意を含んだポジティブな言葉で、東京的な「ヘタウマ」とか「ダサウマ」と少し似ているところもありますが、もうちょっと関西オリジナルなニュアンスです。

で、この「イナタイ」ですが、なんかちょっといい感じかも、と思うのです。

「カッコよすぎず、ダサすぎず、スカスカだけど、さりげなくシブイ」

イメージをうまく伝えられるかどうか自信はありませんが、ひとつのオリジナリティとして、この感覚(コトバ)を共有できれば、と思ったりしています。

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床の間のこと

「茶道」を中心とした、室町安土桃山に端を発する日本的美意識(建築でいえば、桂離宮・待庵あたりですね)の考察が、この何年かの私の大きなテーマになっています。

美を、宗教や土着的な情感から解放し、理性的、批評的にとらえはじめた、つまり、デザインというものが意識され、プロフェッショナルなデザイナーがはじめて誕生したのが、この時代なのではと考えるからです。

宗達・光琳・世阿弥・雪舟・織部・光悦、そして大プロデューサー利休。

その中で、「イエ」ということでいうと、「床の間」はすごく気になります。

建物の中のディスプレイスポット 

クリエイティブな陳列

見立て

先日お送りした拙宅の写真の中の、居間押入の「私の陣地」とか、「掛け花とMick Jaggerのいるコーナー」、「マチスとオブジェの玄関コーナー」なんかも、ひょっとしたら床の間願望のあらわれか、などと考えています。

生活の中ではメインの場ではあり得ませんが、季節や気分に応じて、そこに住まう人間が立体的な「しつらい」をできるところ。

まあ床の間といわずとも、「ディスプレイ」できるスペースがあればいいなあ、などと無責任な妄想をしているわけです。

「見立て」による壁面本棚と重複するのかもしれませんが・・・。

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と、ここまで書いたところで中断しました。
「ミーテイング」の予行演習をやってみようか、ということになったのです。
ていうか、単に外メシを食ったというだけなんですが・・・


その間に、スケッチ4ができていました。

最初に感じた気配はやはりあたっていたようです。

>構造壁はマッキーの太い方で描く。非構造壁はピグマの005で描く。

プロの迫力を感じます。
その迫力に、野放図な妄想が吹っ飛んでしまいました。

K 拝


PS

>「世界の中心で、イエーッと叫ぶ」

最高です。
あのプラン、half-serious ということで。

PPS

「住宅読本」しっかり読みました。
「カマトトぶり」という意味がよくわかりました。
ナチュラルなのか、エディターがうまく引き出したのか、マーケティング的には、あの sweet-honey な感じがあるから、今のポジションがあるのではないかと思います。

PPPS

その本の中に、「ルイス・バラガン自邸」の階段の写真がありました。
これは素晴らしいですね。
Best stairway so far です。