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thu, aug 5, 2004
コトバノイエのスケッチその7。gadgetについて。
根がイチビリなのでこういうものは大好きなのである。
gadgetの語義を「仕掛け」と解せば、その根本はまず動くこと、と考えていいのかな。
動いて換わる。動いて代わる。動いて変わる。
かわって驚く、驚かせる。驚かせて楽しませる。驚いて楽しむ。
建築は動かない。
でも建築のなかには動くものがたくさんある。たとえば建具。
建具は動くことによって、開いたり、閉じたり、する。
でも「建具」という言葉は一人前になりすぎて、それは当然開いたり閉じたりするものとして当たり前のごとく存在しているからgadget性(なるものがあるとすれば)はほとんどない。
「開口部」と言ってみようか。
口が開いている部分。もちろんこれは壁を指す。
壁に穴が開いている。その穴が閉じる。
壁自身が動くことで口が開くとする。その動き方にgadget性がありそうだ。
たとえば、オープンカーの幌のように動く壁(扉)、とか。
あるいは「時間ですよふたたび」のボイラー室(みたいなところだった)にあった天井から降りてくる床だとか。
そうか、わかった。キイワードはプーリー、すなわち滑車だな。
でもこういうのはやりすぎたらいけません。
gadgetの語義を「小道具」と解せば、これは建築で言えば金物やスイッチ類。
ぼくの好き好き大好きアイテムである。
目に慣れた当たり前品にgadget性はない。
建築用金物ではなく、他用途のものを流用してgadget性を獲得したい。
ハンドル、レバー、プルスイッチ、トグルスイッチ。
でもこういうのもやりすぎたらいけません。
gadgetの語義を「妙案」と解せば、粋とかおしゃれとかちょっと鈍くさめとかかわいいとかに意訳(誤訳)できるのかもしれない。
こういうのはやりすぎても・・・いややっぱりやりすぎはいけません。
過ぎたるは猶gadgetに及ばず、か。
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