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Kさん
こんにちは。
壁と柱について、すこし整理しておきましょうか。
というのも「スケッチ」とは妄想プロセスの残滓ですし、伝達容易性という点では端からお構いなしですから、このへんで確認ということで。
木造の場合、柱はありません・・・
おっと、整理するといいながら、いきなり混乱させるようなことを言ってしまいました。お茶目なぼくにお許しを。言い直します。
木造の場合、柱は壁の中にあります。つまり実際にはあるんだけど、見えない。だから、ない、と言っても問題ないし、その方がわかりやすいし、たぶんおも しろい。だから柱はありません。
もちろんこれは大壁造を前提としています。
「グラス・ハウスは真壁造ではないか」という卓見を以前いただきましたが、ご承知の通り、真壁造とは柱と柱の間に壁をつくります。柱は氷山の一角的に壁 からすこし出っ張って露出しています。
現在、真壁造はいわゆる純和風以外にはほとんど見られませんが、柱と壁を同面で仕上げるというやり方ならよく目にします。モダン真壁ってとこでしょうか。
柱と数ミリの目地をおいてベニヤの壁だったり、白塗りの壁だったりするわけですが、これは柱と梁によるフレームとその均等性を表すことが意図されてるわ けです。
ただこのフレームの存在(表現)にプランニング(間取り)や開口部(窓)を合わせていく必要があります。
真壁造に対する大壁造は柱の両面に板材を貼ることで壁をつくります。柱は見えませんから、許容される範囲内であれば多少動いても何の問題もありません。
むしろ間仕切り壁や窓の位置によって柱の位置が動かされたりします。
木造における構造のいい加減さであり柔軟性の、ひとつの現れです。なるようになるわけですが、あえて逆に言えば、なるようになる程度にしかならない、わ けでもあります。そこがぼくはヤなんです。
拙作「イチゴハウス」では大壁造でありながら、柱の均等性を見せる、ということをやっています。
どうやって見せたか。窓によって見せた。写真を見ればよくわかります。窓の内側に柱が見えてますよね。きっちり等間隔に並んでます。
真壁造の場合、柱梁のフレームに窓を合わせないといけないと言いました。
一方、大壁造りの場合は窓の位置に合わせて柱を動かすことができる。
これは窓が壁の中にあるという前提によります。通常、窓は壁に穴を開けてそこにサッシュをはめこむというつくりかたをします。だから柱のあるところには 窓をつけることができません。
壁の中で柱と窓は共存できない。だからどっちかを勝たせないといけない。
柱が勝っているのが真壁造。窓が勝っているのが大壁造。
「イチゴハウス」ではサッシュを壁(柱)の外側につけるというやり方によって、柱と窓に勝ち負けをつけず、双方の言い分を完全に聞き入れています。当 然、窓と柱が重なる部分が出てきます。窓の内側に柱が見えている。結果的(意図的)に柱の均等性が現されることになったわけです。
冒頭、柱はない、と言っておきながら、壁の中の柱(とその均等性)のことばっかり書いてしまいました。結局、中にはある、ということではあるんです。
それをどう現すか(あるいは現さないか)ということについて、いまはまだ考えを持っていません。
とりあえず構造体としては壁ってことだけを考えています。
さらにできれば構造体(壁)は外皮だけにして、内部の間仕切りはピグマ005型激薄非構造壁によってつくりたい、ということです。
ちなみに柱は部位によって太かったり細かったりすることはありません。
すべて3.5寸あるいは4寸で統一されます。
ただし例外的にスチールの丸柱が出現したりすることはなきにしもあらず。
これはまた、そのときに。
モノリスに対する返歌を。
家の中にモノリス、ときましたか。かなり強い象徴ですよね。
ただこの手の「象徴」、今は気分ではないように思います。
(80年代だったら大ウケでしたが)
むしろ家という器は、もちろん多少の偏差偏在はあったにせよ、全体としてホモジニアスな方いい。
中心や周縁は生活によってつくり出す、ってことがいいんじゃないかと思うわけです。
で、モノリスなんですが・・・
このモノリス、かなり大きめのものを用意して、鋏で切り目を入れてみたらどうか。
それから折り目を入れる。できあがったら折り曲げて、箱をつくる。
ショートケーキを入れるパッケージみたいな。
これが家の構造体としましょう。モノリスの外皮だけで構造体をかたちづくり、内部はもちろん構造体の事情に干渉されることなく、内部事情だけでつくる。
窓をどう開けるかってことが、やはり問題にはなってきますし、それ以前にモノリスのつくりかたが大問題ではありますけど・・・。
整理すると言っておきながら、いつもの妄想迷走スケッチと同様になってしまいましたね。
明日のプールで再整理をお願いします。あしからず。
Y
PS
> 「入隅」っていうのもいいコトバですねえ。
イリスミ。テクニカルタームです。
反対は出隅(デスミ)といいます。
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