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Kさん
こんにちは。
今日は打ち合わせがあったので、久しぶりに長ズボンをはきました。
世の中にはこの炎天下スーツを着ている人もいます。
狂ってるとしか言い様がありません。
色ですか。
色は建築のなかでも重要なファクターのひとつです、青い壁が黄色に変わったとしたら、それは空間自体が変質したということです、また一口に青とっても青 には幾千の青があり、微妙なちがいのなかから選び出すことが肝要・・・なんていう考え方には与しません。
青は平静を求め、黄は狂気を滲ませ、赤は情熱を発する・・・なんて真顔で言える人を信用したりしません。
色については、どうでもいい、というのはぼくの考え方です。
なぜか。色には論理が介在する余地がないと思うからです。
ある人が扉の色は紫がいいと主張したとしましょう。そこへある人が茶色がいいと反論したとして、このふたりが客観的な言葉を用いて自説の正当性を議論で きるでしょうか。
無理です。言葉を並べれば並べるほど泥沼の奥底にはまっていきます。
最後はせいぜい、紫はエロいだろうがっ、茶色は爺くさいっちゅうねん、てとこがオチでしょう。
色と心理の関係あるいは空間認知との関係についての理論を否定するつもりは毛頭ありませんが、正直なところ、so what ? って感じです。
その扉は紫でも茶色でもどっちでもいいんです。決める人がいいと思うなら、それで。
同業者はみないろんなカラーチャートから色を選び出すようですが、ぼくはしません。
微妙なちがいのなかからいいとおもう色を選び出しても、次の朝起きたら絶対その色をいいとは思ってないんです。
ぼくのカラーチャートは三菱色鉛筆の12色。青なら青。赤なら赤。これが一番です。
ぼくは色を決めるのが面倒でしかたないんですけど、一応仕事なのでやらさせてもらってます。誰かに適当に決めといてと頼むこともよくあります。でも誰で もいいというわけではありません。
色を決めるのはどうでもいいことですけど、色を決める人を決めるのはどうでもいいことでは全然ないわけです。これが答えですね。
素材に固有の色があるなら、その色を生かすのが妥当な方法だと思っています。
それができないのが、たとえば、鉄です。
鉄は錆びますから(錆の色って大好きですけど)かならず錆止め塗装を施されて出荷されます。
(その意味では錆止め塗装の色が素材固有の色と言えなくないですね、錆止めのオレンジはいい色です)
だからペンキを塗らないといけない。鉄部には色が付き物なんです。
色を決めないといけない。悩む必要などありません。考えがなければ、白を塗っとけばいいんです。
Kさんも色は不得意だそうですし、ぼくも大の苦手です。
もとより色はコトバからは最も遠い存在ですから「コトバノイエ」としては放っておきましょうよ。
ま、いずれ必要なときには、イロの偽魔術師(ぼくです)が見事に解決して差し上げますから、はっはっは。
いずれにせよ、バラガンの「色」はあれは鬼門です。てゆうか危険物ですから。
気安く手を出したら(物欲の重みで?)それこそ大怪我をしてしまいます。
見とくだけにしときましょう。
*
「イチゴハウス」の外壁はグレーじゃなくてこげ茶なんですよ。
濃い色の方がいいだろうと思って(理由はありません、ただそう思っただけ)最初は黒を提案したんですけど、どぎつすぎるからと却下され、こげ茶でなんと か寄り切りました。
実はサッシュの色との絡みがありました。
サッシュはアルマイト(シルバー)色を想定していたのですが、これだけは強硬な抵抗にあい結局ブロンズ色に決まってしまいました。
アルマイトなら壁の色が色でも黒でもまた淡い色でもなんでも合うんですけど、ブロンズとなるとそうはいきません(てゆうかブロンズなんて使う人いません)。
そこで憎きブロンズに消えてもらうべく、壁を同系色にしたわけです。
「BTSA」の引戸に複数のビビッドカラーを使ったのは、ウケ狙いです。
入居者層に対するウケ狙いと事業主に対するウケ狙い。
双方ともばっちりウケました。作戦大成功。
同業者からは、あんなこと(で勝負)する必要ない、と酷評されましたが、わかってやってるんだからいいんです。
ではまた。
Y
PS
ブックファーストの最上階(料理本が置いてある)、狭さと天井の低さ、抜群にいいです。
PPS
> 海水に浸りに伊勢に行って来ます。
塩化妄想に期待してます。
ぼくの方は、日曜月曜と山方面へ。
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